NISA制度の拡充などをきっかけに、投資への関心が急速に高まる今、こんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。
周りの人がいつから投資を始めているのかは、気になるポイントですよね。
この記事では、最新の調査データをもとに、
日本人が投資を始める平均的な年齢から、今まさに起きている投資家層の劇的な変化まで、分かりやすく徹底解説します。
結論から言うと、投資を始めるのに「遅すぎる」ということはありません。
この記事を読めば、その理由がデータと共に納得できるはずです。
【全体像】初めて投資をした年齢、最多は「50代」
まず、少し意外に思われるかもしれませんが、日本の投資経験者全体で見ると、「初めて投資をした年齢」で最も多いのは50代(24.0%)というデータがあります。
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50代:24.0%
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30代:22.5%
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40代:20.8%
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60代:17.8%
これを見ると、30代から50代という、キャリアやライフステージが大きく動く時期に投資を始める人が中心であることが分かります。
また、興味深いのは男女差です。
男性は30代(26.6%)で始める人が最も多いのに対し、女性は50代(27.5%)が最多。
男性の方がやや早く投資を始める傾向にあるようです。
「なんだ、自分より年上の世代から始めている人も多いんだ」と、少し安心した方もいるかもしれませんね。
しかし、これはあくまで「今までの」話。
水面下では、今まさに地殻変動とも言える大きな変化が起きています。
【最新トレンド】主役は若者へ!20代・30代の投資家が爆発的に増加中
ここからが本題です。
近年、特に2022年から2024年にかけて、日本の投資家人口に劇的な変化が起きています。
投資信託の保有率を年代別に比較した、以下の衝撃的なデータをご覧ください。
年代 | 2022年調査 保有率 | 2024年調査 保有率 | 変化 |
20代 | 7.4% | 13.8% | ほぼ倍増! |
30代 | 12.0% | 16.2% | 大幅増 |
40代 | 15.3% | 19.4% | 大幅増 |
50代 | 16.5% | 15.9% | 減少 |
60代 | 22.0% | 17.3% | 減少 |
70代以上 | 26.8% | 17.5% | 大幅減 |
このデータが示す事実は明らかです。
これまで投資の中心だった50代以上の保有率が軒並み減少する一方、
20代から40代の現役世代、特に20代の投資家が爆発的に増えているのです。
わずか2年で、20代の投資信託保有率は7.4%から13.8%へと、まさに倍増。
日本の投資における「主役」が、明らかに若い世代へとシフトし始めていることが分かります。
なぜ若者の投資家が増えているのか?年代別「きっかけ」の違い
この若年化の背景には、何があるのでしょうか。
投資を始める「きっかけ」を年代別に見ると、その理由が浮かび上がってきます。
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若年層(20代): 「SNSの情報」がきっかけとして最多。YouTubeやInstagram、X(旧Twitter)などで気軽に質の高い情報に触れ、投資を「特別なものではなく、当たり前の選択肢」として捉えている世代です。
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40代〜50代: 「テレビ情報」が依然として強い影響力を持っています。ニュースや経済番組で新NISAが特集されるのを見て、関心を持つケースが多いようです。
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60代: 「退職(定年退職)」が最大のきっかけ。退職金というまとまった資金をどう運用していくか、という現実的なニーズから投資をスタートさせています。
新NISAのスタート、スマホで完結するネット証券の普及、そしてSNSによる情報革命。
これらが組み合わさることで、若者にとって投資へのハードルが劇的に下がり、今の若年化トレンドを生み出しているのです。
まとめ:結局、投資を始めるのに「遅すぎる」はない
ここまで見てきたデータをまとめましょう。
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伝統的には30〜50代が投資デビューの中心世代だった。
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しかし2022年以降、20代・30代の投資家が急増し、投資家の若年化が急速に進んでいる。
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きっかけは世代によって異なり、若者はSNS、中高年はテレビや退職が動機となっている。
「やっぱり若い人が増えてるんだ。じゃあ自分はもう遅い…」と感じましたか?
いいえ、その考えは間違いです。
データが示すもう一つの事実は、50代、60代から「退職金運用」「老後資金の準備」という明確な目的を持って投資を始める人が、今も昔も非常に多いということです。
投資において最も重要なのは「始めた年齢」ではありません。
もちろん早ければ早いに越したことはありませんが、
「何のために、いつまでにお金を準備したいのか」という「目的」が重要です。
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20代・30代なら、時間を味方につけた長期的な資産形成が可能です。
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40代・50代なら、子供の教育費や住宅ローンと並行し、老後を見据えた資産作りのラストスパートができます。
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60代以降なら、今ある資産を「守りながら賢く使う」ための運用が考えられます。
どの年代にも、そのライフステージに合った投資の目的とスタイルがあります。
「始めよう」と思った今日が、あなたにとって一番若い日です。
周りの年齢を気にする必要はありません。
まずは少額からでも、ご自身の目的に向かって、未来のための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。