2024年からスタートした新NISAをきっかけに、投資に興味を持った方も多いのではないでしょうか?
資産形成への関心が高まる一方で、残念ながら投資トラブルや詐欺も増加傾向にあります。
特に最近話題になっている「みんなで大家さん」に関する配当遅延のニュースは、投資家の皆さんにとって不安な情報ですよね。
今回は、過去に発生した代表的な投資トラブル事例を振り返りながら、皆さんが安全に投資を楽しむための注意点をお伝えしたいと思います。
こんな手口に注意!過去の代表的な投資トラブル事例
と不安に感じるかもしれませんが、どんな手口があるのかを知っておくことが、自分を守るための第一歩です。
1. SNS型投資詐欺:インフルエンサーの顔写真にご用心!
SNSを見ていると、「誰でも月収100万円!」なんて魅力的な広告が流れてきませんか?
有名人やインフルエンサーを装った偽アカウントがLINEやInstagram、X(旧Twitter)などで「必ず儲かる投資」と持ちかけ、お金を騙し取る手口です。
特徴:
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偽の有名人アカウント: 著名人の写真や名前を無断使用。
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限定的なグループチャット: 少人数のグループに招待し、親密さを演出。
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急かすような言葉: 「今だけ」「限定〇名」などと投資を急がせる。
事例: 2024年の1月から2024年3月末までのわずか3か月で、全国の被害総額が219億円以上に達したという衝撃的なニュースもありました。
投資したつもりが、実際には資金を持ち逃げされるケースがほとんどです。
2. 劇場型・名義貸し型詐欺:「あなただけ特別」という甘い誘惑
複数の詐欺師が役割を演じ分け、巧妙なストーリーであなたを信用させてお金を騙し取るのが「劇場型詐欺」です。
また、「名義を貸してくれれば謝礼を支払う」と持ちかけ、知らず知らずのうちに違法行為に巻き込む「名義貸し型詐欺」もあります。
特徴:
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複数人からの接触: 営業担当者、上司、弁護士など、複数の人物が登場。
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儲け話の強調: 「絶対儲かる」「元本保証」といった言葉を多用。
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複雑なスキーム: 理解しにくい金融商品を提案し、煙に巻こうとする。
事例: 日本証券業協会も、株や社債を装った詐欺で、被害者が知らないうちに違法行為の当事者にされるケースが多発していると注意喚起しています。
3. 情報商材詐欺:「秘密のノウハウ」は高額なガラクタ?
「この情報商材があれば、誰でも株で稼げる!」といった謳い文句で、高額なUSBメモリやオンラインセミナーを販売する手口です。
購入しても期待通りの利益は出ず、さらに「友人を誘えば紹介料を払う」などと言われ、マルチ商法に巻き込まれてしまうこともあります。
特徴:
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若年層がターゲット: SNSや動画サイトで派手な成功をアピール。
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高額な教材費: 「特別価格」と称して法外な金額を要求。
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友人や知人を勧誘させる: ネットワークを広げさせようとする。
4. 解約拒否によるトラブル:信頼できるはずの金融機関でも…
金融機関や証券会社で投資信託などを購入した際、値下がりを心配して解約しようとしたら、
担当者から「まだ上がるからもう少し持ちましょう」と引き留められ、結果的に損失が拡大してしまったというケースです。
特徴:
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担当者の強引な引き留め: 顧客の意思を尊重しない営業姿勢。
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リスク説明の不足: 解約せずに持ち続けることのリスクを説明しない。
事例: 実際に、解約を希望したにもかかわらず引き留められ、市場の下落で大きな損失を被った顧客が訴訟を起こし、和解に至った事例もあります。
5. 原野商法と二次被害:「昔の失敗を取り返せる」は嘘!
価値のない山林などを「将来値上がりする投資物件」として高額で売りつけ、しばらく経ってから「その土地を買い戻してあげる」と偽って、
再びお金を騙し取る手口が「原野商法」です。
一度被害に遭った人をターゲットにする「二次被害」も後を絶ちません。
特徴:
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高齢者がターゲット: 財産がある高齢者が狙われやすい。
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しつこい電話勧誘: 複数の業者から何度も連絡が来る。
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「過去の損失を取り戻せる」と誘う: 心理的な弱みにつけ込む。
6. 弁護士による着手金トラブル:被害者を狙う二次詐欺
「投資詐欺の被害金を取り戻します!」と謳う弁護士に相談したところ、高額な着手金を支払ったにもかかわらず、ほとんどお金が戻ってこず、
弁護士とも連絡が取れなくなったというケースです。
特徴:
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高額な着手金: 成功報酬ではない、初期費用として多額を要求。
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進捗報告がない: 状況が不透明で、連絡が滞りがち。
事例: 2024年には、1200万円の投資詐欺被害に遭った女性が、弁護士に110万円の着手金を支払ったものの、回収できたのはわずか120円だったという報道もありました。
「みんなで大家さん」に代表される不動産クラウドファンディング投資の注意点
「みんなで大家さん」に関する具体的な情報はまだ少ないですが、配当遅延は投資商品の運用状況に黄色信号が灯っている可能性を示唆しています。
不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングといった新しい投資商品は、魅力的なリターンを謳う一方で、注意すべき点もあります。
ポイント:
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透明性の確認: 運用会社の財務状況や、資金の流れが明確に開示されているか。
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契約内容の精査: 配当保証の有無、元本保証の有無、リスク説明が十分にされているか。
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第三者機関の評価: 金融庁に登録されている業者か、過去の行政処分歴がないか。
投資トラブルから身を守るための5つの鉄則!
と思っているあなたも、いつの間にか巻き込まれてしまうかもしれません。
投資トラブルから大切な資産を守るために、以下の点に注意しましょう。
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「必ず儲かる」「元本保証」は詐欺のサイン!
投資に絶対はありません。リスクの説明をせず、一方的に利益を強調する話は疑いましょう。 -
金融庁に登録されているか確認!
投資を勧誘する業者は、金融庁に登録されている必要があります。登録の有無は金融庁のウェブサイトで確認できます。 -
契約書は隅々まで読む!
説明を鵜呑みにせず、契約書や運用報告書の内容をしっかり確認しましょう。 -
SNSや知人からの勧誘には特に慎重に!
親しい関係を装って投資を勧めてくるケースは、詐欺であることが非常に多いです。感情的にならず、冷静に判断しましょう。 -
「怪しい」と感じたら、すぐに相談!
一人で抱え込まず、消費者ホットライン(188)や金融庁の相談ダイヤル(0570-016811)にすぐに相談してください。早い段階で相談することで、被害を最小限に抑えられる可能性があります。
投資は、私たちの未来を豊かにしてくれる可能性を秘めています。
しかし、その裏には常にリスクが存在し、詐欺師は私たちの「儲けたい」という気持ちや「不安」につけ込んできます。
新NISAのスタートで投資への関心が高まっている今だからこそ、正しい知識を身につけ、冷静な判断力を持つことが何よりも大切です。
もし投資トラブルに悩んだら…
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消費者ホットライン: 188(局番なし)
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金融庁金融サービス利用者相談室: 0570-016811
新しい投資の第一歩を踏み出そうとしている方、既に投資をしている方も、この情報が少しでもお役に立てば嬉しいです!
今後も安全な投資について情報発信していきますね。